こんにちは、町村ゆきです。
いつもありがとうございます。
アメブロ「」水曜日のテーマ「」に投稿した記事です。
よろしければお読みください。
***
息子が一人暮らしを初めてすぐのころ、毎日のように私に電話をかけてきました。
電話の内容は、仕事で上手く行かなかったことや、家事が上手に出来ないという内容で、それによって感じる辛い気持ちを私にぶつけてくるといったものでした。
夕方や夜になると毎日電話がかかってきます。
私からしてみたら、高校生から社会人になったばかりだし、家事もそれまで私がしていたので出来なくて当然だと思うのですが。
でも、息子にとっては自分の思ったように出来ないことが許せないようで、私に電話をしてきては、
「俺はダメなやつだ、もっと頑張らなきゃいけないのに、こんなことも出来ない本当に最低なやつなんだ!」
と、自分自身を責めまくっているわけです。
私はその時にいつも息子に言われていた言葉があります。
それは、
「お母さんはバカだよねっ!!俺みたいなやつに仕送りして、ホントお母さんってバカみたい!!」
という私への文句でした。
私はその言葉を言われると、
「そんなことないよ、お母さんはあなたが大切だからしているんだよ」
と、いつも言っていました。
当時息子はお給料も少なく、生活するには自分の働いたお給料だけではやっていけず、私が仕送りをしていて、それは私が息子の為に出来るせめてもの愛情だと思ってしていたことでした。
一通り私に自分の感情をぶつけたら、
「もうお母さんに言っても仕方ないからいいや」
と言って電話を切りますが、それでも次の日にはまた電話がかかってきて同じことを言ってきます。
息子は上手く自立できないことで自分の感情を自分でどうしたらいいのか分からなくて、私に八つ当たりをしていたのだと思います。
自分を責め続ける息子と、「そうじゃないよ、あなたは頑張っているよ」と価値を伝え続ける私。
私は息子が辛い気持ちを感じていることは分かっていましたが、でも、他にどうしてあげたらいいのか?が分からずに、お世話になっている先輩のカウンセラーに相談しました。
その時に、先輩に言われたことがあります。
「ゆきちゃんは息子のことを信頼してるの?」
その言葉で私はハッとしました。
それは、私は信頼しているか?と聞かれたら、信頼していないように感じたからです。
実は私は息子の話しを聞いているようで、息子の感情から逃げたいと思っていた自分にうっすらと気づいていました。
先ず、息子が自分を責めている時、私も自分のことを責めていました。
息子がこんなに苦しんでいるのは、私のせいだと感じていたんです。
一人立ちする準備を私がさせてあげなかったからだ、そして、今、苦しんでいる息子のことをどうにもしてあげられないのも、私がバカな母親だからだと思っていました。
子供たちが小さい頃から私が自分勝手に生きてきて、この子に面倒をかけてしまったから、この子はずっと傷ついているんだ。
だから私が話を聞いてあげるしかない。
その為には私が良い母親にならなければ!と、心の奥では、自分の焦りや不安でいっぱいになっていました。
私は子供たちのことめちゃくちゃ愛していたけど、全然信頼していなかったのです。
でも、そんな私の不安が息子に伝わらないはずがありません。
いつも息子をなだめようとしている私を見て、息子は私の不安を感じていたのでしょう。
息子も息子で、私の不安に罪悪感を感じるので、とても苦しかったのだと思います。
私は、一生懸命に怒りのエネルギーを使い、一人立ちをしようとしている息子の感情を、怒らせないように、怒らせないようにと知らずのうちに抑え込もうとしていたのです。
息子の立場に立って私を見たら、怒りをぶつけても僕を見てくれずに、自分の罪悪感ばかりにとらわれて申し訳なさそうにしているお母さんが見えて、本当に嫌な気持ちになりました。
でも息子はそれでも私を信頼して、自分の怒りをぶつけてきてくれている。
私も息子の愛を信頼したいと思いました。
信頼するためには、私も本当の気持ちを表現するしかありません。
息子に対して感じていた罪悪感を手放すために、自分を許して息子と本気で関わろうと決めました。
次の日、また息子から電話がかかってきました。
そして、あの言葉がやってきました。
「お母さんはバカだよねっ!!俺みたいなやつに仕送りして、ホントお母さんってバカみたい!!」
私はドキドキしました。
でも、今日こそは言うぞと決めて私は言いました。
「そうだよ、お母さんはバカだよ?なんか文句ある?」
「お母さんはバカだから仕送りしちゃんうんだよ、本当にお母さんはバカなの。だからもう、あんたもお母さんのバカを諦めて」
涙が出そうになりましたが、ぐっとこらえて言いました。
しばしの沈黙が流れました。
「ふん、分かったならいいや」
息子は一言そう言って電話を切りました。
次の日も、その次の日も息子から電話がかかってくることはありませんでした。
何日か経ってラインが来て、
「お母さん今までごめん、俺、頑張るから」
と書いてありました。
私はこれまで自分の罪悪感でいっぱいで、息子の気持ちを見逃していました。
息子が苦しんでいるんだから、もっと良いお母さんにならなければと一生懸命になっていましたが、
良いお母さんを自分に求めていたのは、実は私自身で、息子は私の本当の言葉を聞きたかったのだと思います。
良いお母さんという形だけではなく、私自身とぶつかって何があっても壊れない親子の絆をしっかりと感じて、安心して大人になっていこうとしたのではないか?と私は思いました。
この日を境に、私と息子は喧嘩も堂々と出来るようになっていきました。
もちろんその後も息子が怒って、私が自分の罪悪感にハマるといったことも何度もありました。
でもその都度、息子の心の声を聞いて、私自身の心の声も聞きました。
息子はきっと傷つくだろうと、私が良いお母さんになろうとしていた時は、息子は本当に傷ついていましたが、
私が、きっと何があってもこの子なら乗り越えられるはずと、息子の力を信頼することで息子は本当に強くなっていきました。
***
今回どうしてこの記事を書こうと思ったかと言うと、つい昨日、息子とのラインのやり取りで嬉しいと感じたことがあったからなんです。
普段あまり連絡してくることのない息子に、私からたまに連絡をするのですが、私のラインはやっぱり息子を心配していることが多く、ご飯を食べているか?とか、体調はどう?とかのメッセージになりがちなんです。
それを読んで息子から返ってきたメッセージは
「お母さん、気持ちは分かるけど、俺、もう大人(笑)」
と書かれてあって、
それを見て、私はなんだか涙が込み上げてきました。
そしてやっぱり思い出すのはあの一人暮らしを始めたころの息子のこと。
息子は自分の力でちゃんと成長していて、それは本当に力強くて頼もしいなと思いました。
優しさで関わることも大切なことです。
それでも大切な人との関係では本音で関わることの重要さを身をもって学びました。
それはあの時、息子が私を信頼して体当たりしてくれたからなのだと思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました。
↓ご予約はこちらから↓
カウンセリング予約センター
☎︎06-6190-5131
受付 12:00~20:30
月曜定休(祝日は翌日代休、他)
☎︎06-6190-5131
受付 12:00~20:30
月曜定休(祝日は翌日代休、他)